「おい、離婚したんだから養育費を払うのはお前の義務だぞ。今月分、さっさと払え。払わないなら、ただじゃおかないからな」
電話の向こうから聞き慣れた、しかし今はもう他人の声が聞こえてきた。真純はスマートフォンを耳に当てたまま、ゆっくりと息を吐いた。また始まった。
「はあ。ちょっと、いきなり何言ってるの。養育費って何のこと? 」
「とぼけるなよ。今月分の振り込みがないのは確認済みなんだ。払うのが当然だろ」
「あのね、私が養育費をもらう側なんだけど」
「は? ふざけんな。お前は俺の実家から子供を連れ去って、金を踏み倒そうとしてるんだろうが」
真剣は電話越しに声を荒げている。離婚してからもう数か月になるというのに、彼の中ではまったく別の物語が進行しているらしい。元夫の実佳は、呆れるよりも先に、どこか冷めた感情が勝つのを感じていた。彼にとって私が養育費を払うべき存在になっている。なぜなら、彼の実家に子供がいることになっているから。
「真剣、あなた、1回自分の頭を整理してから電話しなさい」
「うるせえな。払う気がないなら弁護士通して話をつけるぞ」
「どうぞ。好きにすれば」
一方的に電話を切られて、実佳は部屋のソファに深く座り込んだ。隣の部屋からは、テレビを見ている娘の笑い声が聞こえてくる。あの子を守れるのは私だけだ。その思いは離婚のときからずっと変わらない。
実際のところ、離婚後のやり取りは当初から苦労の連続だった。離婚届を出すとき、真剣は子供の引き取りについて妙に固執した。しかし彼の両親、つまり元義父母が強く反対し、最終的には実佳が親権を持つことで決着した。調停でも弁護士を通して正式に決めたことだ。その時、元夫は「子供を預けるから、たまには会わせろ」と言ってきた。実佳は了承した。親権は自分にあるけれど、父親としての関わりを完全に断つことはしたくなかったからだ。
ところが、それがいけなかった。離婚後、子供が元夫の実家で何日か過ごすことが何度かあった。あれは確か、元義母が体調を崩したと聞いて、静かにしてくれるよう娘を預けたのだった。その数日の間に、真剣の頭の中で何かがねじれてしまったらしい。「子供が自分の家で過ごしている間に、お前が勝手に連れて行った。これは誘拐だ。だから養育費を払え」と、彼は本気で思い込んでいるのだ。
それはもはや勘違いのレベルではなく、思い込みの暴走だ。真剣は昔から他人の話を聞かない傾向はあったけれど、ここまで酷かっただろうか。
「ねえ、真剣。もう一度言うけど、養育費っていうのは、子供を育てている親に対して払われるお金なの。私は今、娘を育てている。あなたは払う側よ」
「しらばっくれんな! お前は俺の実家から子供を誘拐したんだ!

それを正当化しようとするな! 」
「誘拐って……あなたのご両親は、あの子を預かってくれてありがとうって言ってたわよ。何をどう勘違いしたらそうなるの? 」
「うるさい! お前は俺をナメてるんだろ!
どうせ俺は馬鹿にされるのが好きなんだろ! 」
会話にならない。数年前までは、こんな男ではなかった。結婚したばかりの頃は、もう少し落ち着いていた。彼のそういう態度が目立つようになったのは、仕事でうまくいかなくなってからだ。些細なことで怒り出し、決まって「お前は俺を馬鹿にしている」と言い始めた。実佳はそのたびに、違うと言い、なだめてきた。しかし、次第に真剣の思い込みは一人歩きするようになった。職場で何か言われた日は、特別にひどかった。
そして今、彼は自分が被害者であり、実佳が悪者であるという物語を、完全に信じ切っている。
「いいか、実佳。今なら謝れば許してやる。ついでに、子供をこっちに返して、養育費もきちんと払えば、今回のことは水に流してやってもいいぞ」
「あのね、真剣。私、何度も言ってるけど、子供は私が育ててるの。あなたに養育費を払う筋合いはないの。もういい? 終わりにしましょう。こんな話は」
「ふん。分かった。じゃあ、こっちにも考えがある。思い知れよ」
そう言って、真剣は一方的に電話を切った。実佳は受話器を置き、深いため息をついた。隣の席から、同僚の萌々がひょこっと顔を出す。
「まーじーみー? さっきからすごい剣幕だけど、またあの元夫?
」
「まあね。私が養育費を払えって言ってくるのよ」
「はあ? 逆でしょ。あっちが払う立場じゃん。それに、あんたの子供でしょ」
「それが、本人は本気なのよ。私が彼の実家から娘を誘拐したと思い込んでるみたい」
「マジで言ってるの? 夫としてじゃなくて、人間として終わってない? 」
「離婚したとき、近くの実家に少し預けてたのよ。ほんの数日。それで、私が娘を引き取ったとき、彼の中では『あいつが勝手に連れて行った』ってなったみたい」
「……病気通り越して新しい生物のカテゴリだよ。それ」
萌香は呆れたように首を振った。実佳は、離婚調停のときのことを思い出していた。あのとき、真剣は親権を渡すまいと激しく抵抗した。しかし、元々育児に協力的だったわけでもなく、収入も実佳と大差なかった。それに調停員の前で、彼は「働いているから時間がない」とあっさり認めてしまった。実佳が親権を取り、彼が養育費を払う。それが決定だったはずだ。
「ところで、あっちに弁護士がついたらしいのよ」数日後、同じ職場のもう一人の同僚、真由美がコーヒーを片手に話しかけてきた。
「え、本当?
」実佳は眉をひそめた。「あの人、突然お金ができたわけ? 」
「それがね、会社の同僚に相談したらしいのよ。で、その伝手で紹介された弁護士がいるんだって。『勝ち確だ』って息巻いてるって話よ」
「戦って勝てると思ってるんだ……夢見る夢子も大概にしなさいって感じね」
実佳は苦笑したが、心の中では少しだけ警戒心を抱いていた。もし相手が本気で訴えてきたら、こちらの弁護士に相談する必要がある。実佳は確率や法律の知識に明るいわけではないが、この件に関しては法律が自分を守ってくれるという自信があった。何せ、子供の親権は正式にこちらにあるのだから。
その夜、実佳の携帯に見知らぬ番号から着信が入った。折り返してみると、それは相手方の代理人だという男の声だった。
「……というわけで、佐藤と申します。元夫様、真剣様より訴訟の委任を受けた弁護士です。一度、お会いして話を聞いていただけないでしょうか」
「ええ、構いませんよ。こちらも弁護士を立てますから、その上で話をしましょう」
「話が早くて助かります。それでは、日を改めて」
通話を切った後、実佳はすぐに知り合いの弁護士に連絡を取った。幸い、大学時代の友人で実力のある男がいた。
「もしもし、朋之? 明らかにバカな元夫に訴えられたんだけど、相談に乗ってくれない? 」
「は?
お前、元夫がいるのか? 初耳なんだけど」
「色々あってね。離婚してたの。まあ、それは置いといて、今度お前の事務所に連れて行くわ」
数日後、実佳は元夫の代理人を名乗る弁護士の事務所を訪れた。対面した男は、こちらが想像していたよりも若く、それでいて隙のない雰囲気をまとっていた。
「はじめまして。僕が真剣様の代理人を務める者です。佐藤と申します」
佐藤と名乗った男は、にこりともせずに言った。実佳が驚いて、連れてきた弁護士の顔を見る。すると、その人物は呆れたように、しかし口元に笑みを浮かべて言った。
「……佐藤先生。まさか、君がこの件の代理人だったのか」
「おや。和泉先生、ご無沙汰しております。私としましても、相手方があなただったとは」
佐藤と朋之は顔を合わせて、同時に小さく息を吐いた。どうやら二人は知り合いらしい。実佳は瞬時に状況を理解した。
「まさかとは思いますが、あなたが真剣の代理人? 」
「はい。単純な養育費の件かと思っていましたが、聞けば『子供を誘拐された』とのことでしたので、少し興味が湧きまして」
「あの人の頭の中では、そうなってるのね。私が悪者なのよ」
佐藤は苦笑いを浮かべた。それから、彼はバッグから書類を取り出した。
「まあ、相談という形で、両者の話を伺いましょう。……その上で、です。僕の手に負えない相手なら、こちらも考えますが、どうやら話は早そうですね」
佐藤は手元のメモを見つめながら、ふっと笑った。何だか、面白くなってきたと言わんばかりの顔だった。
「……あの人のことですから、きっと『地元の弁護士を雇った。もう負けられない』みたいな顔をしてるんでしょうね」
「ええ。『めちゃくちゃ強い奴を呼んだ』って睨みながら自慢してましたよ。私にも、負ける要素はないと」
二人の弁護士は、それぞれが相手を値踏みするように見合った。
「実に興味深い。ぜひ、正式な法廷でお会いしましょう」
「ええ。こちらこそ、しっかりと議論を交わしましょう」
翌日、実佳の元に一通のメッセージが届いた。真剣からだった。
「覚悟しとけよ。お前の負けだ。訴えてやるからな」
何度同じやり取りを繰り返せば気が済むのだろう。実佳はため息をついて、画面を見つめた。
「……うん、もう好きにしなさい。どうせ向こうの負けなんだし」
一通のメッセージを送って、実佳はスマホを机の上に置いた。
一週間後、裁判所から正式な書類が届いた。訴状には、実佳が元夫の実家から娘を連れ去ったため、慰謝料として金銭を支払うよう求める内容が記されていた。真剣は本当に訴えてきたのだ。そして、その添えられた書類の中に、相手方代理人の名前が記されていた。
「……佐藤? 」
あの日の弁護士の名前ではない。もっと年配の、それも聞き覚えのある名前だった。実佳はスマートフォンを手に取り、電話をかけた。「もしもし、朋之?
……ちょっと、困ったことになったの」
「何だ? まさか奴が本気で訴えたのか」
「ええ。しかも、代理人がね……西田誠一郎っていうんだけど」
「……西田? あの、勝率九割って言われてるあの狸爺か? 」
「そうみたい。名前を見た時、正直ゾッとしたわ」
「まあ待て。何で奴がそんな大物を?
金がかかりすぎるだろ」
「知らないわ。真剣のことだから、『借金してでも勝ってやる』とか思ってるんでしょ。……地元の弁護士に相談したら『勝てる』と言われたらしいのよ。真剣が自分に都合のいいように解釈しただけなんだろうけど」
「あー、あの鈍々しいやつな。なるほどな。向こうは手ぶらで宣戦布告してきたってわけか。面白い。受けて立とう」
「朋之……本当に大丈夫なの? 」
「心配するな。法律的な優位はこちらにある。それに、いくら新進気鋭の西田でも、事実無根の訴えで無理に押し切るほど馬鹿じゃない。向こうが弁護士をつけたのなら、こっちにも同じ土俵で戦う手段がある。大丈夫だ」
そう言われて、実佳は少しだけ安心した。だが、それでも気になることがある。それは、真剣の執着心だった。彼は元々、思い込みが激しく、自分が信じたいことだけを信じる癖がある。今回も、きっと自分が正しいという結論ありきで、話をこじらせているに違いない。
裁判当日。実佳は裁判所の前で、思い切り背伸びをした。すると、真剣がどやどやと歩いてくる。その後ろには、あの西田法律事務所の表札を掲げた事務所のロゴが入ったスーツを着た男がいた。どうやら西田その人ではなさそうだ。若い弁護士のようで、おそらく西田のところのパートナー弁護士なのだろう。真剣は実佳と朋之を見つけると、天狗のように肩をそびやかせて近づいてきた。
「よう、実佳。後悔してるか? 今からでも遅くないぞ。俺の目の前に土下座して、娘を返してもらえれば、慰謝料はチャラにしてやってもいいぞ」
「あのね、真剣。あなた、何をどう勘違いすればそんな無茶苦茶なことを言えるの? 私はあなたと結婚してたときからずっと我慢してきたけど、もうあなたのそういうリア充ヅラした思い込み魔法は通用しないのよ」
「てめえ……じゃあ、いいだろう。この高裁判所が俺の主張を認めてくれるところをよく見てろよ」
「そう。しっかり見てるわ。どこからどう見ても私の勝ちなのにね」
互いに背を向けて歩き出そうとしたとき、朋之が軽く口を挟んだ。
「まあまあ、二人とも。そんなに熱くなるなって。裁判ってのは、感情でするもんじゃないからな。冷静にいこう。冷静に」
「……そうですわね。私も、あなたと話ができる最後の機会だと思って、誠実に対応したいと思っております」
「ふん。何を今さら猫かぶってるんだ。裁判で決着をつけよう。お前が悪いんだぞ、実佳」
真剣は捨て台詞を吐き捨てると、先に法廷へと入っていった。その後ろ姿を見守りながら、朋之はぼそりと呟いた。
「……あれは、もうダメだな。裁判所の空気を読めない分際で」
「ええ。こうなる運命だったのよ。それしか言えないわ」
法廷の中は、事前のイメージよりも緊張感はなかった。裁判官が入廷してきて、全員が起立する。手続きが始まり、やがて双方の主張が述べられることになった。まずは、真剣側の訴状が朗読される。
「被告は、子の親権を不当に奪い、私の実家から無断で連れ去った。これにより、私は甚大な精神的苦痛を被った。よって、慰謝料として金五百万円を支払うよう求める」
真剣は腕を組み、勝ち誇った顔をしている。それを横目で見て、実佳は深いため息をついた。どうやら彼は、自分の作った物語を本気で信じ込んでいるらしい。裁判官が今度は実佳側に反論を求めた。朋之が静かに立ち上がり、落ち着いた口調で述べた。
「こちらは、元夫である原告が述べた事実はすべて否認いたします。私の依頼人は、離婚の際にお互いの合意のもとで子の親権者となった者であり、原告に対して何ら損害賠償を負う理由はございません。むしろ、養育費の支払いが滞っているのは原告側です。子の親権者である私の依頼人は、法律に基づき、原告に対し養育費の支払いを求める権利を有しております」
そう言って、彼は書類を一枚、裁判官に提出した。それは、離婚調停の際に交わした調停調書の写しだった。真剣の顔色が、見る見るうちに変わっていく。
「ちょ、ちょっと待て!
それは嘘だ! 俺はそんな書類にサインしてない! 」
「往復はがきの調停調書は、ご自身で受け取られているはずです。それが証拠です。あなたの署名も押印もありますよ」
真剣は自分の法廷弁護士の方を見た。弁護士は、バッグの中から分厚い書類を取り出して、真剣の耳元で何やら説明している。真剣の顔は、さっきまでとは打って変わって、土色になっていった。
「……ち、違うんです、先生。これは何かの間違いで……俺は、だって……あいつが……」
「言い訳は結構です。他にご発言がなければ、これにて結審とします」
裁判官は淡々とそう言った。三日後。判決が言い渡された。
「主文。原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする」
真剣は、裁判官の言葉を聞いて立ち上がった。「ちょ、ちょっと待ってください! 俺、納得できません!
これじゃあ、納得いかない! 裁判なんてこんなもんじゃない! おかしいだろ! 」
裁判官は、ちらりと真剣を見て、淡々と言い放った。
「本日の判決は、当事者の主張と証拠に基づき、十分な審理を尽くした結果です。判決に不服があれば、控訴してください。……以上。閉廷」
法廷が終わった後、真剣はしょぼくれていた。分厚い書類を抱えたまま、立ち尽くしている。
「……負けるはずが……俺は…」
「真剣さん」
実佳は立ち上がると、呆れ半分困り半分の複雑な気持ちで声をかけた。
「私が何を言っても、きっとあなたには届かないんでしょうね。でも、一つだけ言わせて。子供は、私の子供よ。そして、あの子の父親は、あなたのままよ。それは、これからも変わることはない」
「そ、そんな……俺は、俺が正しいんだ!
俺が悪いんじゃない! 」
「そう思うのは自由だけど、裁判所は違うって言ってるのよ。あなたが事実を受け入れられない限り、あなたと関わることはもうないわ。二度と私とあの子に近づかないで」
実佳は言い切ると、それ以上話を聞こうとしない。この場を去ろうとした矢先、今度は真剣の法廷弁護士が口を開いた。
「ちょっと待ってください。こちらにも、言い分が」
「何です? 」
「この件、実は和解の打診がありまして。裁判所を通じてではなく、直接、ということなら、こちらとしては話に乗ってもいいと言うことで……」
その言葉に、実佳は一瞬、気が抜けたような顔をしたが、すぐに表情を戻した。
「……和解? 和解って、何の話ですか?
どうせまた、彼が一方的にまくし立てて終わるだけでしょう」
「いえ、そうではありません。こちらとしては、子供さんに関するお互いの話し合いの場、という形で、穏便に済ませたいと考えております。だけど、あなたが強硬な態度に出るのであれば、こちらも譲るつもりはありませんよ。……一応、裁判長から和解の提案があるかもしれません」
「……分かりました。少しだけ、考えさせてください」
帰り道、実佳は朋之に言った。
「ねえ、これで終わりだと思っていいのかしら? あの人のことだから、まだ何か言ってきそうで怖いんだけど」
「大丈夫さ。さっきのあれで、向こうがどんなに無茶なことを言ってたか分かったはずだ。裁判所としては、もうあなたの負けはないよ。お前はただ、養育費の調停を申し立てればいいんだ」
「……そうね。ありがとう、朋之。何だか昔から、あなたにばっかり甘えてるみたいで申し訳ないけど」
「何言ってるんだ。幼馴染のよしみだろ。それに、あいつのやり方は自分の正義を押し付けるだけの、それはもう胡散臭いものだったからな」
「……ほんと、そうよ。子どもが一番可哀想」
裁判は、実佳の完全勝利に終わった。真剣は、実佳と娘に対する接触を一切断たれ、さらに慰謝料として、実佳に金を支払うことになった。肩を落として法廷を後にする真剣の姿を、実佳は何の感慨もなく見送った。哀れだとは思うけど、自業自得である。裁判の後、実佳は娘を迎えに行った。保育園で、娘は実佳の顔を見るなり、嬉しそうに駆け寄ってきた。
「かあちゃーん! 今日ね、おえかきしたの! 」
「そう、何書いたの?
」
「んーとね、ままのえがお! ほら! 」
娘が見せてくれた絵には、大きな花と太陽と、笑っているママが描かれていた。実佳は娘をぎゅっと抱きしめた。この子さえ守れれば、もう何も怖くない。養育費の支払いは、きちんと命じられた。それを、真剣にきちんと払わせるのも、実佳の役目だった。
「……さ、おうちに帰って、ご飯にしようか」
「うん! 今日はね、ハンバーグが食べたいの!
」
「はいはい。じゃあ、一緒に作ろうか」
大きな手と小さな手が重なり、二人は家路についた。空は高く、どこまでも青い一日だった。