結婚式当日の朝、健太がスマホを置いて言った。「悪いけど、やっぱり離婚してくれ。」え、何言ってるの?今日が結婚式なのよ。招待客ももう来てくれてる。なのに彼は「今のうちに片付けたいんだよ」と離婚届を出せと言う。半年かけて準備した式、三時間前の告白。私は親友のちひろに電話した。「ひなは悪くないよ。私が味方だから」そう言ってくれたのに。でも彼は「お前が鈍感だからだろう」と冷たく笑った。全てを失う寸前…
結婚式当日の朝、健太は突然スマホを置いて、 lineru 調子で言った。 「悪いけど、やっぱり離婚してくれ。」 ひなは耳を疑った。「え、ちょっと、何言ってるの? 今日よ。今日が結婚式なのよ。」 「いや、考えたんだけどさ。結婚ってめんどくせえだろ。だったら早いほうがいいと思って。分かってくれ。」 「冗談でしょ? 招待客ももう来てくれてるのよ。」 「マジだって。本気で言ってる。」 「式まであと三時間しかないのよ。どうして今なの? 」 「だから今のうちに片付けたいんだよ。」 「片付けるって、私たちの結婚のことを? 」 「そう。今日、離婚届を出せば一番早いじゃん。」 ひなは必死に声を絞り出した。「ちょっと待って。ちゃんと説明してよ。いきなり離婚なんて言われて、納得できるわけないでしょ。何かあったの? 」 「実はな。色々考えたんだけど、俺たち合わないと思うんだ。このまま結婚生活を続けても、お互い不幸になるだけだし。」 「合わない? 今まで何も言わなかったのに、急にそんなこと言われても。どこがいつ合わないって思ったの? 」 「気づいてなかったのは、お前が鈍感だからだろう。」 「なんで今なのよ。」 「早めに決断したほうがいいと思って、今言ってるんだ。今日離婚届を出せば、早く終わるし、結婚してすぐなら失うものも少ないだろ。財産分与とか面倒だし。」 「失うもの? 式の準備に半年かけたのよ。もうすでにたくさんのものを失ってるって、分からない? 」 「まあ、そういう細かいことはいいじゃん。」 「細かいことですって? 何それ。本当に意味が分かんない。なんであなたの方から離婚なんて言われなくちゃいけないのよ。ふざけないで。」 「とにかくさ、俺は離婚届もう書いてあるから。お前もごねずに書いてくれ。」 「現実を見なさいよ。式場はどうするの? キャンセル費用もかかるわよ。」 「それは折半でいいじゃん。なんとかなるって。」 「招待客への連絡は? お祝いをくれた人たちへの対応は? 」 「それも適当にやればいいって。」 「何よそれ。つまり、式場にいる私に丸投げして、あなたは何もせずに逃げるっていうの? 」 「平謝りでいいじゃん。お前が考えすぎなんだよ。」 「本当に何も分かってないのね。……分かった。いいわ。大丈夫。」 「本当に後悔しない? 」 「全然。むしろすっきりした。俺はもう決めたからさ。お前も早く決断してくれよ。」 「分かったわ。」 同時刻、ひなは親友のちひろに電話をかけた。「ちひろ、どうしよう。健太が急に離婚したいって。」 「え? 離婚? どういうこと? 結婚式、今日でしょ? 」 「式当日の朝に急に言われたの。もう頭が真っ白で。」 「は? … Read more